銚子信用金庫は、平成15年3月28日に金融庁より公表された「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づき、『リレーションシップバンキングの機能強化計画』を策定いたしました。本ページでは、以下の内容でこの機能強化計画をご紹介いたします。
長期的に継続する取引関係の中から、取引先企業の経営者の資質や事業の将来性などについての情報を得て融資を実行する金融機関の経営手法を「リレーションシップバンキング」と言います。
わが国では、中小・地域金融機関(地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合)がその中心的な役割を担っています。
平成14年10月に、金融庁から公表された「金融再生プログラム(-主要行の不良債権問題解決を通じた経済再生-)」において、中小・地域金融機関の不良債権処理については、主要行と異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」のあり方を多面的な尺度から検討のうえ、アクションプログラム(行動計画)を策定するとされました。
これを受けて、金融審議会において「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて(報告書)」が取りまとめられ、この報告書を踏まえ、金融庁により「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」が公表されました。
「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」には、平成15年度から平成16年度までの2年間を「集中改善期間」とし、この期間中に各金融機関及び行政が取組むべき (1)中小企業金融の再生に向けた取組み、(2)各金融機関の健全性の確保、収益性の向上等に向けた取組みがまとめられています。
当金庫では、これに基づき、具体的な取組み施策として、『リレーションシップバンキングの機能強化計画』を策定いたしました。
お客さまのキャッシュフローに関する情報、地域の産業構造、地域経済の動向等に関する情報を集積し、長期的なフェイス・トゥ・フェイスの関係に基づき、経営者個人の資質や経営内容、事業の成長性など定量化が困難な信用情報の活用により、必要に応じて経営相談、支援、ノウハウの提供を行い、長期的な取引関係を継続して、地域経済の発展に寄与して行ける金融機関を目指します。
そのためには、審査能力を充実させ、担保や過度な保証に頼らずに信用リスクの負担を回避できる態勢を確立し、収益性を向上させ、健全性を維持することにより、お取引先からの信頼を確保するとともに、地域の金融システムの安定を目指してまいります。
企業の現金残高の動き。営業活動で得た現金から投資に使った現金を差引いて求める。黒字なら企業の手元に資金が残ったことを、赤字なら支出超過であることを示す。純粋な現金収支であるため企業の収益力の実態をより正確に表す。
業種別のスペシャリスト(専門的な知識をもった担当者)の養成や専門的な研修への受講者派遣を行い、地元中小企業の業種特性や地域性など、より経営の実態に即した融資審査を行っていきます。また、地域経済の活性化につながる創業・新事業を目指すみなさまの支援のために、さまざまな制度融資の紹介やアドバイスを行います。
事業経営者のみなさまに役立つセミナーを開催いたします。さらに、関連業界や異業種などお客さま同士の情報交流や事業協力などの機会を数多く提供できるよう態勢を整備いたします。
事業再生に向けてのさまざまな手法や事業再生支援の機能・仕組みを研究し、取引先企業の経営状態などを踏まえながら、その活用を図ります。
担保や保証人に過度に依存することのないように、データベースを整備し、信用格付システムを導入いたします。これにより、信用格付を活用した無担保融資なども検討してまいります。
融資や保証などの契約にあたっては、金融庁から示されている「事務ガイドライン」に従い、重要事項などをお客さまが理解し納得できるよう説明する態勢をさらに強化します。お客さまからの相談・苦情につきましては、統括部署を定めて対応をしてまいりましたが、新たに担当を設置し、対応の充実を図ります。また、都道府県ごとに設置された「地域金融円滑化会議」にも参加します。
この機能強化計画の取組み状況につきましては、本ホームページに公表してまいります。
取引先企業の信用状況を、実績データに基づく統計的手法などを使い、そのリスクの度合いに応じて区分すること。
地域金融円滑化会議金融庁の「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」に寄せられた情報や、各金融機関等に寄せられた苦情・相談等に関し意見交換を行うため、都道府県ごとに金融当局、中小・地域金融機関および関係業界団体から構成される「地域金融円滑化会議」が設置されている。
研修の実施やシステムの活用により、適切な自己査定や償却・引当を行っていきます。また、担保の評価方法についても、情報・事例収集を進め、より精度を高めていきます。
信用格付システムの導入・活用により信用格付の精度を高め、同一業種や同一取引先などへの過度な融資の集中を回避していきます。信用格付やさまざまなデータの蓄積と分析により、融資金利の設定の仕組みを整備していきます。
お客さまの情報を含めた金庫の情報セキュリティをより厳格に保護していくため、外部コンサルティングを受診し、情報セキュリティ監査を実施します。会員のみなさまの意見を金庫経営により反映させていくために、総代会の機能向上を図ります。
地域貢献に対する当金庫の取組みについては、ディスクロージャー誌やホームページ等で適宜開示してまいります。
金融機関が保有する資産(貸出金等)を個別に検討して、回収の危険性または資産価値の毀損の度合いに応じて分類・区分すること。信用金庫の場合、最低年1回は、毎決算期末日を基準日として自己査定を行い、その結果に基づいて償却・引当を行う。
償却・引当『償却』とは、貸出金などが回収不能に陥った場合、資産勘定から直接減額し、貸倒れ処理すること。 『引当』とは、将来の回収不能に備え、貸倒れ見込額を引当金勘定に積立てておくこと。
ガバナンス組織目的をより確実に実現するために組織を方向づけて統制する仕組み。
中小企業診断士など中小企業支援や企業再生についてのスペシャリストとなる人材を養成し、事業の実態に即したアドバイスや支援を行います。さらに、地域経済振興の一翼を担うべく、地域行政の産業政策に参画していきます。お客さまとの信頼関係を守るため、行動基準を遵守し、役職員へのコンプライアンス(法令等遵守)研修を継続して実施します。
中小企業の経営の根幹となる経営戦略、経営計画の構築など、経営活動全般の適切な方向性を助言するコンサルタントとしての唯一の国家資格。
行動基準銚子信用金庫の行動基準。銚子信用金庫の役職員が日々の業務を遂行する際の基本的な判断基準を明示したもの。
当金庫は、本機能強化計画に掲げた課題について、基本方針のもと、2年間にわたり集中して取組み、計画の遂行を目指します。
当金庫は、「地域の最良のパートナーとして、常に地域とともに歩む。」との経営理念のもと、地域金融機関としての機能を強化し、継続的に地域への資金提供が可能な収益力と地域からの信頼を確保し、地域にとって不可欠な金融機関として、地域の金融システムの安定と地域経済の発展に寄与できる金融機関を目指します。
本計画の要約本文と用語集を掲載いたします。(PDFファイル)
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